読書記録をObsidianで付けているのだが、それによると今年読んだ本は38冊だった。読みさしの本や記録を忘れている本もあるので、実際にはもう少し増えると思う。今回振り返ってみて思ったが、読書する際にはちゃんと感想なり記憶に残ったことをメモしておくクセをもっと付けたいなと思った。Obsidianで管理するようにしてから付けるようにはしているのだが、もう少しその内容を充実させたい。別に数を目標にしているわけではなく手当たり次第に読んでいるのだが、来年はそこを心掛けて読んでいきたい。
技術書編
今年読んだ技術書は10冊でした。全然読めてないね。
ピープルウェア
プロジェクトがうまく行くにはどうすれば良いか、生産性を上げるにはどうしたら良いかなど、マネージャーの頭を悩ましがちな問題について人に焦点を当てて書かれている。個人的には「オフィス環境と生産性」の章が一番興味深く読めた。古い本だが、リモートか出社かという問題は今でもホットだ。
世界一流エンジニアの思考法
マイクロソフト本社勤務の著者が、生産性の高い同僚に聞いた生産性向上のためのコツや考え方を紹介してくれる本。「エラー解決の際に場当たり的な対応をするのではなく、ちゃんと仮説を立てて計測しながら検証しろ」という主張はかなり感銘を受けた。これを受けてもっとCSの基礎的な部分を改めて勉強しようと思った。
個人的には筋トレがどうとか自己啓発チックなところだけ蛇足だった。
コンピュータはなぜ動くのか 第2版 知っておきたいハードウエア&ソフトウエアの基礎知識
先ほどの本を受けて読むことにした。コンピュータの動作原理を回路図レベルから解説してくれる。
プログラムはなぜ動くのか 第二版
これも上記と同様の理由で読んだ。コンパイル時に何が起きるかの解説が特に勉強になった。
新しいLinuxの教科書
初学者時代に一回読んだ本。Linuxを使う際に必要な基本知識が濃縮されている。
本気で学ぶ Linux実践入門
上の本からレベルアップした。正直、通して読むよりはリファレンス的な使い方をするほうが良かったかなと感じた。Linuxで運用をするにあたっての広範な知識が得られる。
入門 モダンLinux
モダンなLinux環境について解説してくれる本。Linuxについての基礎的な知識の他、fishシェルやexa,batなどのRewrite in Rust系コマンドを紹介してくれる。逆に言うとモダン要素はそのくらい。
Rustの練習帳
とりあえずRustを書き始めたい、みたいな人におすすめ。Rust特有の概念については良い感じにスキップしながら進める。この本を通せばRustを書けるようになるとは思うが、所有権とかライフタイムとかあの辺りの知識はあまり付かないので別で身につける必要がある。
まんがでわかる 理科系の作文技術
技術書?という感じではあるが広義の技術書として。読み手のことを考えて重要なことを先に書け、文章構成は概観→詳細になるようにしろ、など分かりやすくてすぐ実践できる内容。
プログラミング言語AWK 第2版
Awkの使い方についてのレシピ集的な本。これも通して読むよりはリファレンス的に使うのが良さそう。最新のawkではCSVをパースできるオプションがあることを知って感動した。-F,
とかやりたくないもんね、バグるし。
技術書以外編
ローマ人の物語32-43巻
去年から読み進めてついに最終巻まで読めた。後半に行くにつれてどんどんローマ要素が薄くなってきて悲しい。現代のイスラエル問題とかについての理解も深まるので時間がある方におすすめ。
マインドセット
成長できるかどうかはマインドセット次第だよ!って本。人間を硬直的なマインドセットとしなやかなマインドセットの2パターンに分け、後者がどれだけ素晴らしいかについてひたすら書いてある。会社で配られたので読んだが個人的にはあまり受け付けなかった。
金閣寺
ふと三島由紀夫を読みたくなったので。坊主が金閣寺を燃やすまでの経緯が書かれている。とにかく文章が綺麗で、描かれている光景がスッと浮かんでくる。
現代思想入門
読んだけど読書メモを残していなかった...。物事を二項対立で考えない脱構築の話なんかが書いてあります。
天平の甍
遣唐使の留学僧が、鑑真を日本に招いて戒壇を作るまでの物語。当初の志を失って経典の写経マシーンと化した留学僧が、船が難破して大量の経本と共に帰らぬ人になったのはただただ悲惨だった。人の行いの虚しさみたいなものを感じた。
なぜ働いていると本が読めなくなるのか
自分は割と本を読めている方だと思うが、話題の新書で気になったので読んでみた。近代以降の日本で読書がどのようになされてきたかの流れは非常に勉強になった。ただし、タイトルにある疑問を解決してくれるわけではないので注意が必要。社会構造に焦点を当てているので、これを読んでも本が読めるようにはならない。
沈黙
禁教下にあった江戸時代の日本に密航した宣教師が、拷問に遭い棄教するまでを描いている。 あの手この手で棄教を促す、通辞や井上筑後守のやり口が見ものだった。論戦など結局は机上の空論で、何も解決しないところにもリアリティがある。
どこでもいいからどこかへ行きたい
ふとした休日を楽しむためのヒントがたくさん載ってる本。これを読んでテキトーに電車に乗って着いた先で安宿を取って〜みたいなことをしたが楽しかった。 その時の記録は記事にしてある。
北方三国志 1~6巻
ふと三国志を読みたくなったので。吉川版は一回読んだので北方版を読むことにした。三国志という作品自体に言えることだが、どう考えても曹操を主人公にした方が良いよなと思う。
イエスの生涯
沈黙に続けて読んでみた。イエスの生涯について、筆者が自身の聖書、歴史解釈を交えながら綴っていく構成。著者の解釈はさておき、これもユダヤ教・キリスト教やイスラエル問題についての理解が深まるのでおすすめ。さっきからイスラエル問題云々と書いているが、別に私がそれについて特別関心を持っているわけではないと一応書いておく。
深夜特急3,4巻
サクッと海外旅行気分が味わえる小説。読みやすいので重宝する。
ラヴクラフト全集1 - H・P・ラヴクラフト
書店で見かけてカバーがカッコよかったのでつい買ってしまった。調べたら2025年12月までの期間限定カバーらしい。個人的にはインスマスの影という作品がお気に入り。半魚人みたいな異様な怪物が蠢く村からのハラハラ脱出劇で分かりやすい。ニャル子さんで知ってるくらいであまりクトゥルフ神話自体に詳しくないのだが、一連の作品には共通の設定があるシェアードワールド方式になっているらしく、複数作品を読むことによって全体像が見えてくるっぽい。いかにも古風なオタク好みっぽい。
ものぐさ精神分析〔改版〕
精神分析者、心理学者である著者が様々な分野について精神分析的な考察を述べる本。あとがきにも書いている通り、重複した説明がかなり出てくる。「国家論」だけ読めば著者の主張の要諦は網羅できそう。共同幻想とか面白い概念が出てくるので気になった人は調べてみてほしい。
西洋音楽史講義
いわゆる西洋クラシックの歴史や、使われる技法の変化について解説してくれる。これを読んでからクラシックを聴いてみるとかなり見方(というか聴き方)が変わった。この曲はあの技法を使ってるな、みたいなちょっとメタな聴き方を楽しむことができる。読むに当たってさほど深い音楽知識も必要ないのでおすすめ。
坂の上の雲 1,2巻
久々に司馬遼太郎作品が読みたくなったので。秋山兄弟と正岡子規の3人が主人公。まだ途中だが安定の読みやすさかつ面白さ。正岡子規についてはあの寂しい写真のイメージが強かったのだが、病床を見舞ったり看護してくれる友達や後輩、俳句仲間が多くてかなり人望のある人物だったんだなと思った。
以上、良いお年を〜