『世界一流エンジニアの思考法』を読んだ

職場のtimesとかでもちらほら名前が出ていて気になったので読みました。マイクロソフト本社でエンジニアとして働く著者が、周りの仕事ができる同僚や、日米の働き方の比較を通して得た学びを共有する、といった内容です。全270ページありますが、2日程度でサクッと読めました。

読む前は『情熱プログラマー』のような、技術書寄りの自己啓発本を予想していたのですが、蓋を開けてみたら自己啓発要素がかなり強めでした。詳しくは後述します。以下、各章ごとのまとめです。

第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう? 生産性の高さの秘密

この章での主張はこんなところです。

  • デバッグの際は手当たり次第に思いつく方法を試さず、まずログやメトリクスを確認して仮説を立て、それらを検証していくこと。 無論、これを行うには、プログラミング全般や、開発しているシステム全体、ツールについて深い理解を持っていなければならない。そのため、理解に時間をかけるのを厭わないようにする。
  • 理解に時間をかけるのを厭わない。基礎からやり直す。

これはかなり耳の痛い主張でした。日頃の業務を思い出すと、思い当たる節がありグサグサと来ました。自分のような非情報系、文系の人間は基本的な情報教育を受けていないので特に刺さります。基礎的な理論をすっ飛ばしてWeb系っていう実践をやってるわけですから、土台なんてぐらぐらです。ここを読んで『プログラムはなぜ動くのか』、『コンピュータはなぜ動くのか』をポチりました。

第2章 アメリカで見つけたマインドセット

日本人は納期にやたら厳しいが、納期は絶対じゃないよ、納期を守りたいならスコープを減らしてもいいんじゃない?重要なこと一点だけに絞ってやれよ という章。 Be Lazyであれ。 定時で帰れ。仕事を持ち帰るな。

第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術

コードリーディングでは詳細を読まない、マルチタスクをやめて4時間は自分だけの時間を確保する、すぐに書かず頭だけで理解するようにする。 常に他人に説明できるかどうかを意識する。

第4章 コミュニケーションの極意

遠慮なくクイックコールしろ、情報量を極力減らしてコミュニケーションしろ、相手が求めている情報は何か考えろ

第5章 生産性を高めるチームビルディング

サーバントリーダーシップの説明。

第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術

定時に帰って技術の勉強をすれば成長できて、仕事のコントロールをできてる感じが出る。 無駄に長時間働いても疲れるだけだしやめておけ。

他は筋トレや睡眠など、一般的な自己啓発本的な内容。

第7章 AI時代をどう生き残るか

AI時代に活きるのは結局専門性だよね。

感想

個人的には一章が一番役に立ちました。他にも随所に参考になりそうなことは書いてありますが、著者のnoteがベースになっているからか、扱っている内容が広範です。また、後半の章に行くにつれてどんどん自己啓発的な要素(睡眠、筋トレ、瞑想etc...)が強くなっていきます。自己啓発本が嫌いなわけではないですが、ライフハック的なことが羅列されていても頭に残らないし、実践できないのでここら辺はサクッと読み飛ばしました。2章にちょうど「重要なこと一点だけに絞ってやりきれ」的なことが書いてあるので、この本からは一章に書いてあることのみを吸収しようと思いました。
業務では制限時間があるため、動くこと優先で根本の理解までしている時間がありません。そのため、業務で疑問に思ったことや、よく分からないけどググって解決したことは、業務後、あるいは休日に深掘りして調べる時間を設けることにしました。
これからシニアエンジニアへと歩みを進めていく中で、「本質的理解」を一つキーワードにしようと思えた一冊でした。皆様も気になったらぜひ読んでみてください。
それでは〜